労働者派遣事業・職業紹介事業の許可要件について

労働者派遣事業・職業紹介事業の許可要件(財産要件)について、「監査証明書」「合意された手続実施結果報告書」が必要な場合と合わせての解説を行います。

1. 労働者派遣事業 職業紹介事業の許可要件(財産要件)

労働者派遣事業及び職業紹介事業の新規許可及び有効期間の更新においては、以下の要件を満たす必要があります。

(1) 労働者派遣事業 許可要件(財産要件)

① 1事業所当たり基準資産額(※)が20百万円以上

※ 基準資産額=資産総額(繰延資産及びのれんを除く)― 負債総額

② ①の基準資産額が負債の総額の7分の1以上

③ 自己名義の現金預金が15百万円×事業所数

(2) 職業紹介事業 許可要件(財産要件)

① 1事業所当たり基準資産額が、新規許可時に5百万円以上、更新時3百50万円以上

② 自己名義の現金および預金残高が、150万円+(職業紹介を行う事業所数ー1)×60万円

2.監査証明書又は合意された手続実施結果報告書が必要な場合

上記1の許可要件(財産要件)が直近の事業年度における決算書(年度決算書)で満たしていない場合は、公認会計士又は監査法人による「監査証明書」又は「合意された手続実施結果報告書」が不要です。

許可要件(財産要件)を満たしていない場合、年度決算書以降の月次決算書又は中間決算書で許可要件(財産要件)を満たした上で、公認会計士又は監査法人による「監査証明書」又は「合意された手続実施結果報告書」が必要になります。

3.新規許可時は「監査証明書」 更新時は合意された「手続実施結果報告書」

「監査証明書」と「合意された手続実施結果報告書」の違いに関して、新規許可時は「監査証明書」が必要になりますが、有効期間の更新に関しては、「合意された手続実施結果報告書」の取扱いも認められております。

「監査証明書」の発行に際しては、監査基準に基づいた厳密な手続きが必要になりますが、「合意された手続実施結果報告書」の発行に際しては重要な特定の勘定科目に限定しての手続きで十分となります。

よって、お客様の負担としては必然的に「合意された手続実施結果報告書」の発行の方が軽くなりますので、更新時の手続は「合意された手続実施結果報告書」をおススメしております。